退職所得の確定申告は必要かどうかについて

税金・会計

確定申告時期にお問い合わせいただくことが多い退職所得(退職金)の確定申告について、誤りやすい事項をご紹介致します。

<誤りやすい事項>

退職所得がある者が確定申告書を提出する際、退職所得について源泉徴収が済んでいることから申告不要とし、退職所得以外の所得のみで「合計所得金額」を計算している(「合計所得金額」に退職所得を加算していない。)。

(考え方)

「合計所得金額」の計算に当たっては、退職所得金額の確定申告が不要な場合でも「合計所得金額」の計算に退職所得金額を加算する必要がある。

近年、公的年金等控除、配偶者控除、基礎控除の控除額の算定において「合計所得金額」を使用する税制改正が行われたことから、源泉徴収が済んでいる退職所得を申告不要とすることで「合計所得金額」の計算を誤り、結果として、各種控除の計算に影響を及ぼすおそれがある。

このため、退職所得がある納税者が確定申告書を提出する場合には、確定申告書への記載(入力)を省略せず、退職所得を含めて申告する必要がある。

(参考)

「合計所得金額」とは、純損失の繰越控除や雑損失の繰越控除等を適用しないで計算した総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計金額をいう(分離課税の対象となる株式等の譲渡所得等の金額がある場合には、その金額等を含む。)。

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