令和5年分の所得税確定申告から適用される主な税制改正は大きく9つありますが、その中から2点取り上げたいと思います。
➢ 日本国外に居住する親族に係る扶養控除の見直し
(1) 扶養控除の対象となる控除対象扶養親族について、扶養親族のうち、非居住者については年齢16歳以上30歳未満の者及び年齢70歳以上の者並びに年齢30歳以上70歳未満の者であって次に掲げる者のいずれかに該当するものとされた(所法2①三十四の二)。
① 留学により国内に住所及び居所を有しなくなった者
② 障害者
③ その居住者からその年において生活費又は教育費に充てるための支払を38万円以上受けている者
上記①又は③に該当するものとして扶養控除の適用を受ける場合には、従前の親族関係書類に加えて次の書類を確定申告書に添付又は提示する必要となった(所法120③三、所令262④)。ただし、給与等の支払者に既に提出し、又は提示したことにより年末調整において扶養控除等の適用を受けている場合を除く。
上記①に該当する場合…外国政府又は外国の地方公共団体が発行した留学の在留資格に相当する資格をもって外国に在留することにより非居住者となったことを証する書類(所規47の2⑨)
上記③に該当する場合…送金関係書類でその親族への支払金額が38万円以上であることを明らかにするもの(所規47の2⑩)
令和4年分までは16歳以上というひとくくりで国外居住者の親族扶養を判定していましたが、細かく分類されましたね・・・。
30歳以上70歳未満については、特に要件が細かくなりました。
➢ 上場株式等に係る配当所得等の課税の特例の改正
(1) 内国法人から支払を受ける上場株式等の配当等で、その支払を受ける居住者等(以下「対象者」という。)及びその対象者を判定の基礎となる株主として選定した場合に同族会社に該当する法人が保有する株式等の発行済株式等の総数等に占める割合(以下「株式等保有割合」という。)が100分の3以上となるときにおけるその対象者が支払を受けるものが、総合課税の対象とされた(措法8の4①一)。
⇒ 令和5年10月1日以後に支払を受けるべき配当等について適用する。
(2) 上記(1)の改正に伴い、上場株式等の配当等の支払を受ける大口の個人株主に関する報告書制度が創設された(措法8の4⑨)。
⇒ 内国法人が令和5年10月1日以後に支払うべき配当等について適用する。
上場会社の株式を保有割合で3%も保有している方はごく限られた人だと思いますが、該当者にとってはかなり大きなインパクトのある改正ですね。
ではでは~、また次回のブログにて(^_-)-☆