その効率化は誰のため?

経営・時事

今のようなご時世では、いかに無駄なく効率的な商売をするかが重要なポイントのひとつと言えるでしょう。

しかし、「どこを削るか」と「どこにお金をかけるか」の見極めは経営センスが問われる大事なところです。

ここはひとつ、節約上手な主婦の発想を参考にしたいものです。

家庭の主婦であれば、「どんな状況でもまず守るべきは家族」だとしっかり認識しています。

家族を守る基本は健康管理です。

どんなに食費を切り詰めても、その範囲内で可能な栄養バランスを考え、たとえ「もやし料理」でもバリエーションに知恵を絞ります。

今はディズニーランドに行けなくても、健康であればいずれ家族全員でミッキーマウスと記念写真を撮れるでしょう。

その日のために家族の健康を守るべく、主婦たちは今日もチラシをくまなくチェックして、底値を求めて自転車を走らせるのです。

「お母さんは家族のために頑張ってくれている」。

そう感じるからこそ、もやし料理が3日続いても家族は文句を言いません。

けれど、節約したお金で自分だけこっそり3000円のランチを食べているとなれば、家族の絆は一気に崩壊するでしょう。

主婦で実業家のある女性は、いわゆる「主婦のアイデア商品」がヒットしたことで会社を立ち上げたそうです。

今では年商も億を超えるようなので、さぞかしオフィスは立派だろうと思いきや、雑居ビルの一角に内装も質素な事務所を構えているだけだとか。

その理由は、「お客様に提供するサービスと関係ないものにはお金を使いません。

会社の内装にお金をかけるとサービスの値段を高くしなくてはならないですし、値段を高くすると今度は宣伝広告をしたりと余分な仕事が増えるんです」とのこと。

つまりこの女性実業家にとっての効率化とは、お客様のためにならない出費は一切しないことなのです。

このポリシーが効率化の最大の柱だそうです。

何のための効率化なのか、その目的がブレてしまうとお客様は敏感に反応します。

だからこそ、「会社の帳簿」ではなく「お客様の喜ぶ顔」が思い浮かぶような商売の効率化を進める会社は、どんな時代でもお客様から支持されるのでしょうね。