国税庁では、社会全体の効率化と行政コスト抑制の観点を踏まえ、令和6年5月以降に送付する分から、e-Taxにより申告書を提出している法人などについて、納付書の事前の送付を取りやめることとしています。
上記国税庁のHPによると、
《事前送付を行わないこととなる方》
- ○ e-Taxにより申告書を提出されている法人の方
- ○ e-Taxによる申告書の提出が義務化されている法人の方
- ○ e-Taxで「予定納税額の通知書」の通知を希望された個人の方
- ○ 「納付書」を使用しない次の手段により納付されている法人・個人の方
- ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替)
- 振替納税
- インターネットバンキング等による納付
- クレジットカード納付
- スマホアプリ納付
- コンビニ納付(QRコード)
とのこと。
そして、「国税庁では、納税者の方が納付書を手書きで作成する手間を省くと共に、税務署や金融機関の窓口に行かなくても国税の納付ができるよう、キャッシュレス納付をご用意しております。」と記載がありますが、要は様々な納税コストを納税者が負担しなさいというメッセージにも見えてしまいます・・・。
国税庁自身が公表している統計データによると、キャッシュレス決済は全体の約3割程度、金融機関窓口納付が6割強、あとはコンビニ納付と税務署窓口納付となっています。
「キャッシュレス納付をご用意しております」となっていますが、すべてのキャッシュレスが無料でされているわけではありませんよね・・・。
代表的なのがクレジットカード。
一般的なビジネスでは、利用者ではなくお金をもらう側がクレジットカードの手数料を負担しますけどね・・・。
とにかく最近の税務署は納付書を発行するのをすごく嫌がります・・・。
先日、岡山東税務署で相続税の納付書を5枚→相続人4人分+予備1枚をもらおうとしたら、税務署内に備え付けの白紙の納付書がなくて、窓口で白紙の納付書をもらうのに30分くらい待たされ、ちょっと見方を変えると嫌がらせのようにも感じてしまいました(他の税務署の納付書をもらうならともかく、自分のところの納付書を用意していないなんて・・・)。
実務上、7割の人が非キャッシュレス決済を行っている現状で、イータックスをしているというだけでイコールキャッシュレスの想定をするのは、ちょっとその感覚に違和感を感じます。
行政コストの削減が目的とされていて、その将来的な方向性はあっているのかもしれませんが、少々やり方が乱暴すぎて、削減する順序が間違っているようにも感じていまいます。
マイナンバーカードも一緒ですが、国民が利便性などを感じないまま強制的に一方的に制度を変えていくようですと、納税者である国民の理解は得られないように思います。
まぁ、いろいろな意見はあるのでしょうが・・・。