個人消費税:高額特定資産を取得した場合の注意事項

税金・会計

<誤りやすい事項>

① 課税事業者(簡易課税制度の適用を受けていない。)が令和2年7月1日に高額特定資産の課
税仕入れ等を行ったにもかかわらず、基準期間の課税売上高が1千万円以下である令和3年課
税期間分は免税事業者であるものと考え、申告していない。

② 平成26年11月10日に消費税簡易課税制度選択届出書を提出している事業者が、令和元年7月
1日に高額特定資産の課税仕入れ等を行い、令和元年課税期間分の課税売上高が5,000万円以下
であるにもかかわらず、高額特定資産を取得した場合等の納税義務の免除の特例(消法12の4
①、37③三)の適用を受けるものと考え、令和3年課税期間分を一般課税で申告している。

(考え方)

課税事業者が事業者免税点制度及び簡易課税制度の適用を受けない課税期間中に高額特定資産の課税仕入れ等を行った場合には、当該高額特定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の翌課税期間から、当該高額特定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間においては、事業者免税点制度を適用しない。

また、その高額特定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間の初日の前日までは、「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出することができない。

自己建設高額特定資産については、当該自己建設高額特定資産の建設等に要した課税仕入れ等の支払対価の額(事業者免税点制度及び簡易課税制度の適用を受けない課税期間において行った原材料費及び経費に係るものに限り、消費税に相当する額を除く。)の累計額が1,000万円以上となった日の属する課税期間の翌課税期間から、当該建設等が完了した日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間においては、事業者免税点制度を適用しない。

また、その自己建設高額特定資産の建設等が完了した日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間の初日の前日までは、「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出することができない(消法12の4①、37③三)。

※ 「高額特定資産」とは、一の取引の単位につき、課税仕入れに係る支払対価の額(税抜き)が1,000万円以上の棚卸資産又は調整対象固定資産をいう(消令25の5①一)。

※ 「自己建設高額特定資産」とは、他の者との契約に基づき、又はその事業者の棚卸資産若しくは調整対象固定資産として、自ら建設等をした高額特定資産をいう(消法12の4①)。

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