普段の会話やメールなどで、熟語や慣用句などを正しくスマートに使いこなすと、「お!デキる人かな?」という印象を持たれます。
あまり多用すると嫌味っぽくなりますが、ひとつの事柄をいろいろな表現にできれば、ひいてはコミュニケーションの幅を広げることにも繋がるでしょう。
英語では collocation(コロケーション)と言い、訳すと連語・縁語となることばの話です。
簡単に言えば「つながることば」のこと。
ちなみに、通信業界でも「コロケーション」が使われることがありますが、これは顧客のパソコンやサーバーを回線業者のシステムに繋ぐことです。
さて、例として「足」に関連したことばと、活用するシーンなどを考えてみましょう。
「足が遠のく」「足で稼ぐ」「足を限りに」「足を抜く」「足を洗う」「足を引っ張る」「足が地に着かない」・・・など。
実際に足(体)を使う表現はもちろん、人生や生活、基礎や実質的な部分を例えるのにも、足が使われることが多いのです。
健康情報では足は第2の心臓とも言われていますよね。
これは、実際の足のことになりますが、ことばの中でも足は大切な部分を示す役割をしている上に、誰にでも身近なことばなので、文章や会話の中に入れることへの効果も期待できます。
例えば、お客様と約束をする時に、「出来る限り、がんばって資料を集めてお持ちします」よりも、「私の足を限りに資料を集めてお持ちします」のほうがありきたりでなく、また、足=歩く・走るのイメージがあるので、お客様はほんの一瞬でも、実際に動いている姿が浮かぶでしょう。
ひょっとしたら、それは信頼を得られる前向きな姿かもしれません。
これは、「今日は足を限りに営業してきます!」といったように社内でも使えますね。選ぶことばひとつで、相手に小さなアクションを起こすこともできるのです。
他には、「しっかり頑張れ。フラフラするな!」と言うよりも、「地に足をつけて頑張れ!」のほうが、同じ浮ついた状態のことでも具体的なイメージが想像しやすい分、相手に通じやすいでしょう。
挨拶でも、「ご無沙汰してしまって」は、「足が遠のいてしまい」とも言えます。シーンにもよりますが、これが最初に書いたスマートに使いこなすということです。
何度か会う相手に毎度お決まりのセリフでは、いつしか「この人、いつもこの挨拶だな」と思われ新鮮味がなくなってしまいます。
上記の例は相手や状況にもよりますし、言い方ひとつという話でもありますが、「つながることば」は、人と人の関係、ビジネスの状況も良い方向に繋ぐことができる可能性を持った、ひとつのツールでもあるのです。
少し気をつけて使っているうちに、あなたの足元もしっかり固まってくると思います。