上司や目上の相手に使用すると失礼になる言葉があります。
そのひとつが、部下から上司への褒め言葉です。
相手のやる気を引き出すうえで褒めることは大切ですが、褒め言葉は上司が部下に使ってこそ効果を発揮するものです。
褒めるとは、「相手を評価すること」なので、部下が上司に褒め言葉を使うと相手を見下したような印象を与えてしまうのです。
例えば、「ゴルフがお上手ですね」「海外のことをよくご存じですね」という言い回し。
上司の腕前や見識を褒めたつもりでも、上司は「バカにされた」と受け止める可能性が高いので注意が必要です。
目上の相手に「できるか、できないか」を問うのは相手を試すことになり好ましくありません。
このような場合は「するか、しないか」の事実だけを尋ねるようにします。
上司に対して「さすが!」「よくご存じですね」「感心しました」「たいしたものですね」という言葉を使うのも要注意です。
「君に言われたくない!」と上司から反感を買うNGワードだからです。自分より経験豊富な上司が「よくご存じ」なのは当然のこと。
「感心しました」は、部下が上司に使うとバカにしたような印象を与え失礼です。
下手に褒め言葉を並べるよりも、目上の相手への尊敬の気持ちや感謝の意をきちんと言葉にして伝えましょう。
例えば、上司のゴルフの腕前に対して「週にどのくらい練習なさっているのですか?」と具体的に練習量を質問したり、「私など、部長の足元にも及びません」とレベルの違いを示して、相手の実力の高さを暗に伝えるのもひとつです。
「さすが」「すごいですね」と上司を軽々しく持ち上げるより、その姿勢や言動を観察し、「大変勉強になりました」と伝えるほうが好印象を与えます。
見え透いたゴマをすって空振りするより、相手の心に響く中身のあるひと言を返すことができれば、上司とも良好なコミュニケーションをはかることができるでしょう。