発明王のエジソンは、「私が成功した秘訣はたった一つしかない。それは、成功するまでやり続けたからである」と言ったそうです。
松下幸之助も似たような名言を遺しています。今はできないことも、できるまでやればできるようになります。
しかし、やり続けて成功する人はほんの一握りです。
多くの人が途中で挫折していくのは「努力」と「成果」の相関関係を誤解しているからではないでしょうか。
努力した分だけ成果が出るのは確かでも、努力と成果は正比例しません。
新しいことを始めたとき、スタートからしばらくはなかなか成果が出ないのが普通です。
この「なかなか成果が出ない期間」は想像以上に長く、ところがある段階を超えると急激に成果が現れて、その後は少しの努力で一気に成果が上がっていくというのが脳のシステムだそうです。
これを「量質転化」と言いますが、このシステムを知らない人は「こんなに努力しているのにちっとも成果が出ない」と嘆いて、成果が出るのを待てずにやめてしまうのです。
パフォーマンスは基本的に努力量と比例しないものです。
ですから「使えない」段階のほうがはるかに長いわけで、量質転化が起こって無意識にできるようになったとき、はじめて「使える」段階になることをちゃんと覚えておきたいものです。
商売をしていれば「なかなか成果が出ない期間」もあります。そこを乗り越えるには根性論よりも「スモールステップ」という工夫の方が実践的でしょう。
確実な一歩を刻んでいくこと。これがスモールステップであり、その第一歩は「今できることをする」です。
先を急ぐあまり2段飛ばしで一気に階段を駆け上がってみても、20段目あたりで足腰にガタがきてへたりこんでしまっては本末転倒というものです。
上手くいかない時期はじっと我慢して、スモールステップで目先の小さな目標をこなし、「できること」を増やしながら100段の階段を確実に上ったとき、101段目で「商売の量質転化」が訪れるのです。