「それ」がものを言う

経営・時事

いきなりですが質問です。

「1億円・良い評判・権力」この中でいちばん「ものを言う」のはどれでしょう。

ある大学で、学生たちに一人の教授の力量を評価してもらう実験が行われました。

学生を2つのグループに分け、Aグループには教授の授業風景を2秒見ただけで評価してもらい、Bグループは1学期の間ずっと教授の授業を受け、それから評価してもらいました。

果たしてその結果は、グループAとBで評価がほとんど変わらなかったそうです。

状況や人物を瞬時に判断した場合も、半年以上の時間をかけて判断した場合も、そのもの自体への評価はほとんど変わらないとしたら、評価の正確さは時間に比例しないことになります。

もう1つ、カリフォルニア工科大学での実験です。手の込んだ方法で同じワインを異なる値段で飲ませたところ、被験者は「高い方が美味しい」と判断したそうです。

しかもその際、脳の価値判断にかかわる眼窩前頭皮質(がんかぜんとうひしつ)という部分がより活性化する傾向にあったのだとか。

これはワインに限った話ではないでしょう。

高いから美味しい。

高いから効果がある。

高いから優越感に浸る。

なんとも単純な発想ですが、良いラベルが貼ってあれば良く見えるし、ラベルがお粗末なら中身もお粗末に思われるという実によくある話です。

また、一度下された評価は時間が経ってもほぼそのままで、しかもその評価は「中身」より「ラベル」の方がものを言うのです。

この指摘は商売においてかなり重要なことです。

要するに、「できるだけ良い評価をもらえるようなラベルを自分自身に貼っておきましょう」ということで、裏を返せば、多くの人は悲しいかなその程度の評価力しか持ち合わせていないともいえます。

だからこそブランディングは大事で、ブランド商売は強固なのでしょう。

お金より権力より良い評判。

商売の成功を願うなら、くれぐれも評判を落としてはなりませんね。

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