「こだわり」に「傲慢」が潜みはじめていませんか?

経営・時事

子どもの頃、「台風一過」を「台風一家」だと思い込み「世の中には台風のようなハチャメチャな家族がいるものだ」と信じて疑わなかったという笑い話を友人から聞いたことがあります。

また、美しい人は光り輝くものだから、「美人薄幸」を「美人発光」と勘違いしていた人もいました。

人には、何かと自分の知っていることに当てはめようとする傾向がありますが、これは「自分の経験こそ正しい」という勘違いなのかもしれません。

「自分にこだわる人ほどファンがつかない」。

これは、ある有名芸能人の言葉です。

「こだわり」という言葉の中には「信念」を感じさせる一方で、「傲慢」や「頑固」という意味合いが潜んでいる場合もあります。

口では「変わりたい」「成長したい」と言いながらも、実は自分の考えや経験にしがみついていることが多々あります。

だからこそ「自分」にこだわってしまうのではないでしょうか。

「自分」にこだわる人は、自分が変わらずに人や周囲を変えようとする頑固者なのかもしれません。

「こだわり」という響きのいい言葉をまとっても、その傲慢さは人に見抜かれてしまいます。

傲慢な商売で成功したという話は聞いたことがありません。

一時は稼いだとしても、つかの間のあぶく銭で終わってしまいます。

商売が上手くいっている人は「信念」こそ大事にしても、下手なこだわり方はしません。

まず、人を大事にして変化を恐れずに自分を高めようとします。

「どこまで自分を変えていけるか」、それは商売におけるひとつのチャレンジだからです。

長年やってきた商売の経験は、自分だけのデータベースとして大いに活用するべきです。

しかし、それだけが正しいわけではありません。

自分にこだわるあまり、顧客という大切なファンを逃したくはありませんね。

作家で精神科医だった斎藤茂太さんの言葉を胸に刻んでおきたいと思います。

「“自分のない人”ほど、自分を主張する」「他人に花をもたせよう。自分に花の香りが残る」